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紅い徒花

2008.04.23 まるで抜け殻のように

濁り始めた空
駆け抜ける風
静かに頬を撫でた

涙などいらない
悲しみなど知らなくていい
純粋なままで微笑んで


不明瞭な視界
待ちわびた雨
静かに天を仰ぐ

僕等はいらない
貴方は知らなくていい
嫌味なまでに微笑んで



傘を掲げて鈍い雨音
途切れたメビウス
暗闇に佇む悲しみ
貴方は確かに泣いていた
僕等は確かに知っていた

矛盾はいらない
真実は知らなくていい
壊れた孤独に微笑んで

空っぽな白い世界
消えた思い出
暗闇に潜む妖光
貴方は確かに生きていた
僕等は確かに生きていた

全てを捨てた貴方
全てを諦めた僕等



現を確かに生きていた
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