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紅い徒花

2008.03.11 水面

水面にうつる私は
とても歪んでいて綺麗だった
そっと私を掬い上げてみれば
指の間から零れていった
悔しくて握り潰してみても
透明な私は地に逃げていった

水面にうつる私は
とても澄んでいて醜かった
そっと私を救い上げてみれば
零れてまた元に戻った
滑稽で踏み躙っていても
透明な私は濁り 澄んでいった


面白い
つまらない
滑稽だ
くやしい

心の中の波紋は
徐々に広がっていき
自分の感情すら掴みとれない

水という名の心は
徐々にかさを増して行き
終には自分すら溺れてしまう


水面にうつる私は
とても歪んでいて綺麗だった
そっと私を掬い上げてみれば
指の間から零れていった
悔しくて握り潰してみても
透明な私は地に逃げていった


零れた私は地に落ちていった
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