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紅い徒花

2009.09.13 鏡花

あいつが笑ってる
なんて完璧で醜い
一番嫌いなあいつが笑ってる
なんて綺麗な言葉で
拒絶を繰り返すのだろう

傷ひとつないのは何故
之ほどまでに嘆いてきたのに
強かさを誰が見抜けただろう
悪魔を殺めたわたしを
あいつは詰らない
それは誰の涙かさえ
混乱の果てに溺れていくのだから

愚かしいあいつが笑う
愚かしいわたしが泣く
なんて僅かな本性
誰も裂くことはしない

解せないのは何故
未だ沈黙を抱いてきたのに
愛されるべく映し出した
わたしを殺めたあいつを
誰もが抱きしめた
それはまるで炎のよう
何度もの嗚咽は燃え尽きたのだから


燃え尽きたのだから



(鏡に映ったのは果たしてあいつか、それともわたしだったのか)
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