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紅い徒花

2009.07.15 誕生

昔から文章を書くのが苦手だった。
事実の中に感情など見当たらなくて、シャーペンをくるくると指でまわす。
誰かが、こうするべきだと囁いたから。それだけなんだ。
別に望んでいたわけじゃない。
しかし、一度だって、一度だって、言葉に逆らったことはないだろう?
従順さは変わってはいないのだ。
ただ、傾ける場所を変えただけ。
唯一の光に気がついただけ。

『死にます』

ペンを走らせる。
これでいい。何も変わらない。
なのに、何故だろう。


(これが、嬉しいという感情なのか!)


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