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紅い徒花

2009.07.29 道化師

綺麗なままの瞳で
何を嘯くつもり?
慣れきった重圧は
私を押しつぶしてもくれない
この体を軋ませることもない

認めてよ 私の醜さを
嗤ってよ 私の愚かさを
そうしないと消えてしまいそうになる
犯した悲しみを忘れてしまいそうになる


欠落は誰も信じない
脚は何処にあるの?
怒りの声も胸の底
私を覚ましてもくれない
この夢を閉じることもない

助けてよ 何て都合のいい
掴んでよ 何て獰猛な
散らばった静寂を飲み干しても
失くした地面に気がつけないままで

私の憧れは形をなくしている
世界は傾きを望んでいる
壊れ行く眩暈を殺しながら

認めてよ 私の醜さを
嗤ってよ 私の愚かさを
そうしないと消えてしまいそうになる
犯した悲しみを忘れてしまいそうになる
散らばった静寂を飲み干しても
失くした地面に気がつけないままで


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2009.07.21 臆病者の今日

走り出す感情が盲目を追いやる
あなたは何一つ
蹴ってなどいないのに
覆す必要もないそんな現実
幸せだと誰が笑ったの
不安定さを誰が守るの

目の前の暗闇に
何を見出せと貴方はいうの
意味など捨てて
無機質に生きたいだけ
絡まる理想も
形を失っているでしょう?


間違いだらけの解答が何度も
あなたは何一つ
助けてなどいないのに
無知でいられるそんな茶番
ありがとうと誰が言ったの
悲愴さを誰が模るの

最果ての言葉に
何が待つとわたしは問うの
恐れるものは何
傲慢な影をたどる
儚い昨日も
形を失っているでしょう?
色も褪せているでしょう?







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2009.07.15 誕生

昔から文章を書くのが苦手だった。
事実の中に感情など見当たらなくて、シャーペンをくるくると指でまわす。
誰かが、こうするべきだと囁いたから。それだけなんだ。
別に望んでいたわけじゃない。
しかし、一度だって、一度だって、言葉に逆らったことはないだろう?
従順さは変わってはいないのだ。
ただ、傾ける場所を変えただけ。
唯一の光に気がついただけ。

『死にます』

ペンを走らせる。
これでいい。何も変わらない。
なのに、何故だろう。


(これが、嬉しいという感情なのか!)




[小説]

2009.07.13 教室

賞賛はどうもうそ臭くて嫌い
どうせなら立ち上がれないほど
否定してくれればいいのに
そうしたらこの手で壊していける
この鋭利な心で切り裂ける

にこやかに足元を狙うのはやめて
無意味な鞘などさっさと捨ててしまえば?

汚れた瞼が下りるのを待っている
雑音の中で煌くのはいや
命をすり減らして噛み付きたいの
「逃避なんて許さない」
それは私に向けた餞
独りきりの結末を待っている


乾いた舌が求めるのを嘆いている
撫でられているなんていや
鋭く牙を剥いて焼き付けたいの
「逃避なんて許さない」
それは私が描いた決意
独りきりの結末を待っている





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2009.07.02 錆

放り出した感情
足場は何処にも無くて
言葉ばかりが脳を掻きむしる
いつの日か歌声は消えた

歪みの視界も
どうせ妄想
何故ならとうに眼球は
どこか転がり落ちた

この胸を抉り出して
乾いた世界など欲しくない
冷たい銃口は私のもの
引き金に巻きつけた指
境界線はどこに?


飾りなき表情
懺悔は何処にも無くて
眩暈ばかりが彩り始める
いつからか忘却の果て

叫びの瞬間も
どうせ胸中
何故ならとうに弱音は
どこか転がり落ちた

その嘘を炙り出して
見破れる視力も無いくせに
爛れた街角は霧の中
境界線はどこに?

私なら箱庭の底
呼吸など捨ててしまった
さよならは上手に繕って
泥など掃わなくていい
温度はどこに?


境界線はどこだ


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