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紅い徒花

2008.09.28 なんてちっぽけな

私は、小さい。
私の足は小さい。
私の手は小さい。

ふ、と見上げる。

この小さな手で覆い隠せる空は、なんてちっぽけだろう。
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2008.09.25 てのひら

どっか行ってしまおうか
私たちを知らない場所へ
だって消えてしまうから
まだ孤独なんて知らなくていい

消される前に消えてしまおう
だって私たちは酷く脆いから
「どちらから」なんて言わないで
その暖かな手に触れながら
還るべき場所は無くったっていいから


きっといいことあるよ
私たちに微笑みかけた
そっと握り締める
その手は冷たくって 冷たくって

触れる前に堕ちてしまおう
ぎゅっとまぶた震わせる
「ここにいて」なんて言わないで
私たちを壊さないで
すべき事は知っているから



もう少し もう少し
どれだけ私たち誤魔化してきたの

ただ一つ ただ一つ
この手は離さぬように



[]

2008.09.11 ぶろぐらんきんぐに参加してみました

何かしら波長があったらぽちりとお願いいたしますー。


かげで喜びます。

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2008.09.08 終

「もう誰も何も信じらんない」
一度ぎゅうと目を閉じて深呼吸。

彼が死んだ。それは三日前のことだ。
信じられるのが彼だけだった私は、信じるものがなくなったこの世界からいま旅立とうとしている。
今会いに行くわ。少しだけ待っていてね。
そうっと下を見下ろせばびゅうびゅうと風が背中をおしてくれる。
柵から手を離せば私の体はゆっくりと地上へと近づいていく。
やっと会えるわ、ぐちゃぐちゃになった私でも気づいてくれるかしら、早く会い――――




(その先に世界があると信じたのは誰でもない、自分だったくせに)

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2008.09.06 すれ違い

洞窟の向こうから足音が聞こえたので、危ないよと声をかけるつもりで足を踏み入れた。
一本道でこの先行き止まりなので、迷うことはないだろうし、別にわざわざ声かけなくてもいいかなぁと思いながらもずんずん進めば後ろのほうで足音が遠ざかっていった。

なんだ、もう引き返してたのかぁ。


[小説]

2008.09.06 君のためにとアンタは言うけれど

「死んでもいいよ」
君のためなら。

鳥肌の立つようなさむいセリフ、と振り返れば存外真剣な眼差し。
それじゃ笑い飛ばすことなんて出来やしないじゃないか。
ましてや嬉しいなんて、思えるわけないじゃないか。

「覚悟は出来てるよ」

アンタはそういうけれど、
でも、ごめん。
アタシはアンタを見送る覚悟なんて、一生できやしないよ。


[小説]


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