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紅い徒花

2008.08.17 だから、殺して

例えばその手が僕を貫いたとして、君の後悔を誘うことが出来たとして、君の涙を引き出すことが出来たとして、僕が君を見守ることが出来たとしたら。

そしたら、一生分の不幸を幸に変えられる。

今までの悲しみや苦しみはこの為にあったのだと、
今までの笑顔や喜びはこの為に捨ててきたのだと、そう思えるから。





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[小説]

2008.08.17 鏡のようでいて境界のような

水面に映る山や月や夕日がとても好きだった。
美しいとは思わない。ただ、全ての醜いものを誤魔化してくれるような気がして、日に何度も水面を眺めた。

ある日水面にふと陰がさしかたが振り向く事も無くただ静かにその人型を見据えた。
しかし、それから何度も水面は人型を移し、水面の向こうでただ静かに佇む人型のように自分も同じ様にただ立ち尽くした。

いつもいつも人型はそこで立ち尽くすからついに気になってふとそれの正体を探ろうとした。
だが、振り向いた所でそこに誤魔化される事も無く佇む人は居なかった。ゆらゆらと自分におちる陰が憎らしかった。

そしてまた水面を見上げて、嗚呼、誤魔化されていたのは此方の方だったのだとやっと思い出したのだ。


[小説]

2008.08.17 理由が無いことさえ理由になる

「なんの為に生きているの」
と、君は突風に吹かれながら嘆いた。僕が口を開く前に風が君の足をさらい、君は地面に砕かれてしまった。
悲しさよりも虚しさが勝り、もう泣く事も笑うこともしない君に力なくさよならを告げた。
嗚呼、どうして、


生きる理由がないという君に死ぬ理由が一体何処にあったというの。



[小説]


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