2008.07.05 裸足の夜に
湿った空気に溶け込んで
一人しゃがみこむ
仰ぎ見れば色とりどりの空
ビニール越しの世界
擦り切れた足で駆け抜ける
風を切り裂き 雨を掻き分けて
走れ走れ どこまでも
忘れた痛みを思い出す
消えた己が夢
振り返ればいつも其処にいた
フィルター越しの世界
我を忘れてただひた走る
風を切り裂いて 雨を掻き分けて
逃げろ逃げろ どこまでも
滲んだ視界も
小さな嗚咽も
誰にも悟られぬように
逃げろ逃げろ――
風を切り裂いて 雨を掻き分けて
走れ走れ 裸足の夜に
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2008.07.02 神様の願い
ぷかぷかと浮かんでは消える
紫煙の先に君がいた
こちらに気づきもせずに笑う
ため息交じりのわっかが流れてく
せめて、と思う
気づかないでと願う
隔たりを越えられなきゃ届けられない
ならばそのまま知らずにいて欲しい
ふわふわと浮かんでは消える
擦り切れた思い出の中
こちらへおいでと笑う
揺るぎないその瞳から逃げだした
せめて、と思う
赦さないでと願う
わだかまりを残したままじゃ忘れられない
ならばそのまま不信の時を過ごそう
泣かないでと願う
笑っていてと願う
立ちすくんだその背をただ見守るだけ
だからそのまま振り向かないで
隔たりを越えられなきゃ届けられない
ならばそのまま知らずにいて欲しい
どうかそのまま知らずにいて欲しい