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紅い徒花

2008.04.25 世界は輝きに沈んでる

君が信じた世界を僕は望まない
僕が望んだ世界を君は信じない


疑うことを覚えた子供
信じることをやめた大人
上手くしがみついた僕等
 
「世界は輝きに満ちている」 
だけど君はオプチミストなんかじゃない
「世界は暗闇に沈んでいる」 
だけど僕はペシミストなんかじゃない

知っている 
知っている 
僕等ただのリアリスト
知っている
知っている
僕等ただのエゴイスト

信じて望んでる 
まるで同じ価値観抱えている

君には世界が輝いて見えてるの?
僕には世界が暗闇に見えているの? 

嘘は付かない 
僕も君も知っているんだから     
必要性がない 
僕も君もしっているんだから

「世界は輝きに満ちている」
だけど君はオプチミストなんかじゃない    
「世界は暗闇に沈んでいる」   
だけど僕はペシミストなんかじゃない   

知っている 
知っている 
僕等はしがないリアリスト  
知っている 
知っている   
僕らはしがないエゴイスト  

信じて望んでる 
まるで縋り付くように生きている                


「世界は輝きに沈んでいる!」 
だから僕等リアリスト
だから僕等エゴイスト


君が信じた世界を僕は望んでる
僕が望んだ世界を君は信じてる
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2008.04.23 まるで抜け殻のように

濁り始めた空
駆け抜ける風
静かに頬を撫でた

涙などいらない
悲しみなど知らなくていい
純粋なままで微笑んで


不明瞭な視界
待ちわびた雨
静かに天を仰ぐ

僕等はいらない
貴方は知らなくていい
嫌味なまでに微笑んで



傘を掲げて鈍い雨音
途切れたメビウス
暗闇に佇む悲しみ
貴方は確かに泣いていた
僕等は確かに知っていた

矛盾はいらない
真実は知らなくていい
壊れた孤独に微笑んで

空っぽな白い世界
消えた思い出
暗闇に潜む妖光
貴方は確かに生きていた
僕等は確かに生きていた

全てを捨てた貴方
全てを諦めた僕等



現を確かに生きていた

[]

2008.04.15 シンデレラ

相も変わらず君は
薄っぺらな笑顔貼り付けてさ
踊る踊る 優雅に踊る

吐露してしまえばいいのにさ
投げ出してしまえばそれで終わり
君の強さか弱さか
言わぬか言えぬか
逃げぬか逃げれぬか
答えは誰も知らぬ 君も知らぬ


相も変わらず僕は
薄っぺらな言葉並べてさ
踊る踊る 二人で踊る

逃げてしまえばいいのにさ
駆け出してしまえばそこで終わり
僕の強さか弱さか
言わぬか言えぬか
逃げぬか逃げれぬか
答えは君もしらず 僕も知らず


似たもの同士踊ろうか
十二時過ぎてもとけぬ魔法
何せ始めから君でしかないんだから
めでたし めでたし
それは終わりか始まりか

駆け出すには邪魔だから
硝子の靴も綺麗なドレスも
何せ始めから君でしかないんだから
駆け出せ 逃げ出せ
それは終わりか始まりか


相も変わらず君は
まっさらな笑顔貼り付けてさ
走る走る 急いで駆ける

相も変わらず僕は
まっしろな言葉並べてさ
踊る踊る 二人で踊る







[]

2008.04.15 永遠の後まで

来ない日を二人でまとう
変わらぬ日々を二人で数えよう
不意に零れ落ちる感情も
時に流れる愛情も
ふたりで拾い上げて

いつまで一緒にいれるの
変わらぬ日々を二人で願おう
永遠を望んではみても
時に逆らえず流れても
ふたりで救い上げて

霧散する絶望と
吸い込まれた孤独
浮遊する切情と
吸い込まれた涙

ふたりで完結している物語
遮断される外界
誰も受け入れるな
誰も踏み込むな

来ない日を二人でまとう
変わらぬ日々を二人で数えよう
不意に零れ落ちる感情も
時に流れる愛情も
ふたりで拾い上げて


永遠の後まで共に―――



[]

2008.04.09 ピリオド

明日が欲しいだなんて
ならば今はどこからきたの
孤独が欲しいだなんて
ならば今はだれといるの
未来が欲しいだなんて
ならば今はあの日のきぼう

孕んだ矛盾は一体だれの童?
産まれるは一体だれの童?

繰り返す無秩序に終止符を


明日は要らないだなんて
ならば今はどこからきたの
孤独は嫌いだなんて
ならば今はだれといるの
未来は要らないだなんて
ならば今はあの日のきぼう

孕んだ夢幻はだれの童?
産まれるはだれの童?

繰り返す世界に終止符を

[]

2008.04.07 偽善者に溺れて

そのナイフで切り裂いてくれたならば
もう笑うこともなかったのに
その微笑で紛れてしまえたのならば
もう泣くこともなかったのに

悲しいだなんて
楽しいだなんて
所詮ちいさな舞台の上で

笑ってても
泣いてても
所詮こどくの演技の底で


そのコトバで切り捨ててくれたならば
もう喜ぶこともなかったのに
その微笑が紛れてしまえたのならば
もう苦しむこともなかったのに

嬉しいだなんて
苦しいだなんて
所詮ちいさな子供のようで

笑ってても
泣いてても
所詮へたな芝居のようで


所詮ひとりの孤独の中で
所詮いつわりの優しさの中で

[]

2008.04.05 死後の世界


ある日、俺はしょうも無いことで死んだ。
どうして自分は死んだのかなんてのは忘れてしまったが、自分が生きていないことは確かだった。
しかし、不安や悲しみや後悔なんてものはちっとも無く、やっとあの息苦しい世界から解放されたのだとおもうと妙に清々しい気持ちになった。



そういえば、此処は天国だろうか。それとも地獄だろうか。
どちらにしても依存も不思議も無い。それなりにだらしなく生きてきたし、何にも良いことなんてしてこなかった。同様に悪いことも。

悪いことをしたら地獄にいくのだろうか。いいことをしなければ天国にいけないのだろうか。
良い事をすれば天国にいくのだろうか。悪いことをしなければ地獄におちないのだろうか。
良いこと悪いことの区別はいったいどのへんだろうか。

疑問は山のように在るが、周りを見回してみても、何も無く、誰もいない。
いくら考えてても答えが出るわけじゃなし。
考えるだけ無駄だと早々に匙をなげてごろりと転がってみた。
床はあるんだなと、どうでもいい事に気がついた。
―――暫く眠ってれば、何か変化だって起きるかもしれない。
(実際、眠くて仕方が無いだけで、考えるのを放棄するための言い訳でもあるが)
そして、そのまま眠りに付いた。


こつ こつ こつ


徐々に近づく足音と共に、意識は少しずつ浮上しはじめた。
ぼやけた思考で、誰だろうと考える。
そういえば此処はどこだろう。あれ、俺は―――
―――そうか。
死んだんだった。
すっかり眼が覚めて、大きな欠伸をした。
 
こつ こつ こつ

足音のする方へ振り向いてみると、そこには白いワンピースを着た女性がいた。
「こ、こんにちは」
死後の世界での挨拶はすこし間抜けな気がしたが、ほかに言葉が浮かばず、軽く愛想笑いをうかべてみた。
「こんにちは」
女性は少し驚いたものの、微笑みながら言葉を返してくれた。
神様でも、閻魔サマでもなく、普通の人みたいだ。
どうしようかとすこし逡巡したものの、
「あの、此処はどこですか?」
無難に聞いてみることにした。
女性は、また少し驚いた顔をして、ああ、と納得した様子で頷いた。
「最近、あがってきた方ですか」
「……あがってきた?」
やっぱり此処は死後の世界で間違いないのか。

「ここは、天国なんですか? 地獄なんですか?」
一番気になっていたことだ。

すると女性は三度目の驚いた顔をみせて、なにいってるんですかと笑った。

「あなた、地獄からきたじゃないですか!」




[小説]

2008.04.04 桜のもとで

風は暖かさを運んでゆく。
今年も、柔らかな花びらが散ってゆく。


期待に満ちた子供達とは対照的に、私はウンザリする。
この時期は煩くて五月蝿くて、全てが煩わしい。
みんな、みんな、散ってしまえばいい。
私のように、理不尽に枯れて行けばいい。
人々の笑い声はまるで、馬鹿にしているようで、嘲っている気がして、不愉快極まりない。
肌を擽り、肉を貪るこの虫達は私の存在を消そうとしているかのようで。
ただ己の飢えを潤す為だけだろうに。
それでも、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、
恨むべき相手は見当たらなくて、思い出せなくて、悔しくて、

私を埋めたのは誰?

私を殺したのは誰?



早く誰か見つけて、私を見つけて、誰か誰か誰か見つけて見つけて!
消える、消えちゃう、急いで、私の体が、来ないで来ないで、消さないで!
お願い助けて助けて助けて、あああああああ
あの男が、わたしを、あいつ、がわたし、をころ、したの、に、
もうきえ、ちゃう、きえ――――












今年も私は私を吸い上げて、咲き乱れる。

美しく、美しく、私の体は、







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[小説]


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